あおざくら 防衛大学校物語
週刊少年サンデー 29号(6月29日号)
第7話:部屋長サカキ
少年サンデーの「あおざくら」防衛大学校物語
第7話「部屋長サカキ」の個人的で独断的な感想記事です。
※二階堂ヒカル先生のサンデー連載漫画です。
★「あおざくら」をコミックスで読む派の方はネタバレ注意!!
★記事の中でそこそこ詳しく内容を書いています。
★初めてブログ記事を読む方へ★
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一度、その内容に目を通して、このブログのスタンスなどに対して
ご理解の上で読んで頂けると有難いです。
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それでは、改めまして…ここから
あおざくら =防衛大学校物語=
第7話:部屋長サカキ
…の感想記事です。
今回のスタートは、何故か近藤のベッドが木の上にある場面から…
扉絵は2ページ目になっています。
近藤がネクタイを締めようとしている場面。
煽り文は…
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右も左もわかりませんが、一生懸命奮闘中!!
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1ページ目に戻って、ベッドが木の上にあるシーン。
場面説明文…
■一体誰が、何のために!?
部屋の1学年全員で協力して、一生懸命にベッドを下しています。
うん…まぁ何度も書いていますが…
これは漫画ですからね!ストーリーも絵的にも面白くないとね!
「あおざくら」は漫画であるからこそ…の場面ですね。
いくら何でも、絵のように高い木の上にベッドを乗せるような
超面倒な事は上級生もしないでしょう…^^;
ただ…知り合いの防大生に確認しましたところ、
「一学年のベッドが時々飛ぶ」というのは本当の事のようです。
「飛ぶ」とか「飛ばされる」と表現するそうですが、
文字通りに…または今回の「あおざくら」の漫画の絵のように木の上に飛ぶ訳ではなく、
ベッドを乱される事をそう呼ぶらしいです。
「ベッドが飛ばされた」という場合に多いのは
ヘッドの毛布やシーツなどがキレイに整理整頓されていない時に
「もう一度やり直しをしろ」という意味で
ベッドの上にある毛布やシーツが上級生によってわざわざ乱される状態らしいです。
毛布やシーツだけなら可愛いほうで…
ベッドマットが「飛ばされて」部屋の外に出されていたり窓の外にあったり…
という事も時々あるようです…^^;
因みに、知り合いの見た一番「あおざくら」の場面に近いと思われる場面は
「ベッド本体を解体した上で、学生舎の外に出されていた」
という場面だそうです。
「あおざくら」のようにベッドをそのまま外に出すのは重いし大変なので
やるなら「ベッドを解体した上で」やるほうが現実的だろう…
という話でした。
結局…本当に有り得るお話しなんですね~^^;
みんなでベッドを部屋まで運んで部屋の前まで来ると…
何やらドサッ!バサッ!という音が聞こえてきます。
不思議に思って部屋の中を見て見ると…
原田「ん?何の音?」
近藤「え!? 部屋長… サブ長…」
原田「何してるんスか!?」
坂木「毛布の畳み方が甘ぇーんだよ!」
「もう一度 しっかり畳み直せ!!」
「整頓不良ォ!」
「テメェら対番の先輩に 何教わったんだ!?」
●ここで坂木が誰かのロッカーの扉に手をかける…
坂木「おいィ!!」
「誰のロッカーだ カギがかかってねぇーじゃねぇか!」
「不用心にもホドがあるぞォ!!」唖然として見ている一学年(ああっ…)
(中身まで出さなくてもォ……)
部屋の中が部屋長の坂木とサブ長の西脇によってぐちゃぐちゃにされ
鍵がかかっていなかったロッカーの中身も全部出された様子。
一部のベッドは本体が横向きに倒されていて酷い有様です…
これについても防大生に聞いてみたのですが…
「あぁ、これはあるね」
とアッサリ肯定されました。^^;
因みにロッカーに鍵をキチンとかけていないのは大変な事だそうです。
絶対に鍵のかけ忘れをしてはならない!
というのは、防衛大学に限らず自衛隊全体での「基本中の基本」なので
こんな風に中身を全部出されても仕方がない…との事です。
坂木「朝礼に間に合うように片付けろォ!!」
「テメェらが外でノロノロしてっから あと15分だぞ。」
「見といてやるから しっかりやれ!!」●一生懸命に片付けをする一学年
坂木「テメェ 片付ける順番考えろ!!!」
「廊下に出たものから片付けねぇと、誰かの迷惑になるだろう!」一学年「はっ…はい!」
●靴を整理しているとサブ長が…西脇「角度だけじゃない ヒモの向きもだ!」
「目を降ろして揃ってなければ気持ち悪いだろうが!!」坂木「居は気を移す、部屋の中は常の整理整頓を心がけろ!!」
部屋の外にも出される事があるのも…本当の事のようです。
にしても…これだけの物を短時間で片付けるのは大変そうです。
しかし、有事の際の自衛隊はとにかく何でも素早い行動が求められる事を考えれば…
まぁこれも訓練の一環と言いますか、必要なスキルのひとつと言えそうです。
部屋の一学年全員で必死に片付けを終わり…
全員が「ハァ…ハァ…」となっています。
●キチンとできているか確認中の坂木部屋長
坂木「息上がってんじゃねーよ。」
「チッ… あと5分か…」
「10分前にできるようにしろ。」
10分間で、あれだけグチャグチャになっていた部屋を片付けだけで
結構スゴイと思いましたが…更に5分間でできるようになれ!
という事らしいですね。
でもそれくらいでないと…やはり先が不安になるでしょうか。
場面が変わり、
一学年が昼食の準備のために食堂に向かって…
上級生が来るまでの間の準備をしているところでの会話。
原田「あれ一人じゃ無理だろうし何人かでやったんだろ!?」
近藤「でも、防大にいる先輩たちって全員常人じゃないから、きっとーー」
●ここで近藤の想像で坂木が一人でベッドを投げて木の上に放り投げた場面
いやいやいや…
いくら実際に筋肉モリモリの上級生が多いといってもね…
これは無理ですよね~(笑)
万が一できたとしても、
こんな疲れそう&失敗したら危険な事はしないでしょね。^^;
ここで、今までも気になっていたのですが…
感想記事が長くなるので書かなかった事をひとつ。
近藤も他の一学年も「先輩」という言葉を何度も使っていますが
実際には、防大では先輩という言い方はせず「上級生」という言い方だそうです。
防大生や元防大生が「あおざくら」を読む時に
「先輩」という単語に違和感を感じる…と聞きました。
そう聞いて、良く思い出してみれば…
私が防衛大を訪問した時もみなさん「上級生が…」と確かに言っていました。
防衛大言葉のミニ情報でした…!
この後…全員で昼食を食べている場面で…
ご飯の盛り方の説明をしています。
西脇「先輩にはこう!」
「オマエらのメシは、こう!」坂木「大量に炊くとそうしてもムラができちまうからな。」
西脇「先輩には上メシ!一学年はペチャメシ!」
「おいしそうな盛り付け方を心掛けるんだ!!」
ん~ここでも西脇が「先輩」と言ってしまっていますね…
防大ではこんな場面でも「上級生」と言います。
そして、坂木と西脇が説明をしているように、
実際に上級生には「上めし(じょうめし)」
一学年は「ベチャめし」の部分を盛り付けるそうです。
(※昼食の準備・盛り付けは一学年の仕事のひとつです)
次の場面で…
坂木「……近藤、オレの前に大好物の…鯖味噌ゴマドレッシングがねぇ。」
「探して取ってこい。」近藤「はいっ!」
坂木「おい原田、面白い話しろ。」
人気のドレッシングをGetするのも一学年の仕事なのだそうです。
準備の時に他の中隊などと取り合いしつつ、
自分たちの中隊の上級生に人気の物をGETする必要があるとか…
そして食事の時に「面白い話をしろ」と言われたりするのも
良くある事というか定番のようですね。
「あおざくら」の漫画の中では目の前に座っているのは
何時もの部屋の上級生ですが、実際には色々変わるので、
一学年のほうから上級生に気をつかって話題を振ったりするそうです。
尚、面白い話をしろ!と言われた時の為に数種類の「自分ネタ」を
持っていると良いそうです。
(※中には静かに食事をしたい上級生もいるので、
そんな人が近くになった時は下手に話しかけない事も大事だとか)^^;
この全学年が一緒に昼食を取る事を「一斉喫食」と呼ぶそうです。
朝と夜は、前の「あおざくら」の場面で出てきたように
セルフサービスで食事をするのですが、お昼だけは全員一緒と決められているそうです。
その後の場面で…他の上級生に
上級生「敬礼が甘ーいっ!」
「四学年と一緒なら許されると思ったか。」
「各自314五号室まで反省文を20枚提出!」西脇「先いくぞ。」
坂木「オマエらが悪い。」
上級生「特にオマエ!キサマは30枚で提出いいな!」
近藤(くっ… なんでオレだけ。)
こんな風に、何かミスや不備を指摘されては「反省文の提出」が
ドンドン溜まっていってしまうのが一学年生の宿命のようです…
そして近藤達の部屋の戻ると、今度は自習室のほうがグチャグチャに
荒らされてひどい有様になっています…。
この場面について防大生に聞いてみたところ…
「自習室のほうは、ここまで荒らすような事はない」
「色々と大事な物や壊れ物も多いし、普通はもう少し穏やかにやる」
と言っていました。
でも、まぁ…中には例外的な上級生もいるそうなので…
この場面は、そういう事だと思う事にしましょうか。^^;
そして…そんなこんなが続き、ドンドンと反省文が増えていきます。
清掃について、敬礼について、その他…色々と。
必死に自分の机で反省文を書いている近藤の場面…
近藤(ドンドン反省文が増えて重なっていく…)
(圧倒的に時間が足りなくなってきてる…)
(風呂はあきらめよう… 晩メシも抜こう…)
(結局もらった参考書も読めていないし…)沖田「ね、ねぇー近藤君ー、僕も他の先輩に呼び出されちゃってさ…」
「また前にたいに、1000円でこの反省文を手伝…」近藤「え…?なんだ沖田?」(ギロリと睨む近藤)
沖田「ひっ!!ご、ごめん自分でなんとかするよ!」
近藤「そうか…」
近藤が非常にイライラして余裕が全くなくなっています。
近藤(こんな勉学でもないことを…)
(部屋長、サブ長、先輩達…いったい何を考えているんだ?)(分からないことはオレに聞けって言った松平先輩…)
(入校式後からというもの ないがあったのか、やたら死んでいるし…)
反省文を書きつつ、近藤がモンモンとしています。
こうして読むと何度も「先輩」という単語が出てきているので
確かに…防大を知っている人には違和感がありそうです。
そして近藤の対番学生である松平が確かに全然登場しませんね。
「あおざくら」の漫画の中では、近藤は松平がクタクタになっている
原因というか理由を知らない描写になっていますが、
実際は、そんな事は絶対にないそうです。
この時期は二学年は「地獄のカッター訓練」の超特訓の時期です。
それを知らない防衛大生なんて…いるハズがありません。^^;
※カッター訓練については、後日、防大生の生活のところで詳しく書きます。
それと、例え二学年が地獄のカッター訓練期間であったとしても
自分の対番の面倒をみないという事は有り得ないので
(※そんな事をすれば二学年が上級生にシバかれる)
今回の近藤のような場面では、アドバイスをくれたり助けてくれるはずです。
「あおざくら」の中では、漫画としてのお話しの進める都合だと思いますが
対番学生が、新入生である一学年の助けに全くと言ってよい程に入っていませんが、
実際には、そんな事はなくて対番はちゃんと助けてくれるそうです!
だから…
防衛大への進学を目指している皆さま、その点は安心して下さいね♪
あ、でも、かといって…
自分ができなかった事に対する反省文が減るわけではないです。
…それは、それ。です。^^;
悶々としていた近藤が…とうとうキレました。
近藤「部屋長~」
●近藤を見て「よせよ!」と止めに入る原田と沖田
近藤「坂木部屋長 質問があります。」
「…略… 自分には理由が分からないのですが、一体何のためにやらされているのでしょうか?」原田(バッカ… 殺されるぞ)
坂木「自分で考えろ……と言いたいところだが、いいだろう教えてやるよ。」
「一学年共全員立て!他のヤツらにも教えてやる。」
「気合いを入れるため上着脱いでイスに座れ。」一学年(なぜ脱ぐ?気合い?)
●上着を脱いで上半身が裸になった近藤達がイスに座ろうとすると…
坂木「そこじゃねぇよ。」
「何買ってにそれに座ろうとしてんだよ。」
「別のイスだよ!」近藤「別のイス?」
坂木「そこにあるだろ。空気のイスがよ!!」
最後の説明文…
■部屋長、激オコ!? 次号、地獄の巻頭C!!
また出ましたね~「空気イス!!」^^;
空気イスの解説は第3回の「お客様」の中の感想記事と
防大の用語集のほうにも書いているので、今回は省きますね。
<今回の主な防大・自衛隊の言葉>
●「飛ぶ」「飛ばされる」
整理整頓ができていない事などを理由に、ベッドやロッカーの中身が
グチャグチャにされてしまう事。
●整頓不良(せいとんふりょう)
少しでも!僅かでも!毛布やシーツなどの畳み方が悪いとこう言われる。
ベッドが飛ぶ主な原因となる。
●一斉喫食(いっせいきっしょく)
防衛大学で全学年が一緒に昼食を食べる事。
一斉喫食の準備は一学年の仕事。
●上メシ(じょうメシ)・ベチャメシ
上メシは上級生が食べる「美味しく炊けている部分のご飯」のこと
ベチャメシは、炊いたご飯のムラの為にベチャベチャになった部分。
ベチャメシは一学年が食べる。
●反省文(はんせいぶん)
上級生に何か不備を指摘された後に書かなければならない反省文
※詳しくは「防大用語」のページにて解説
以上…
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あおざくら 防衛大学校物語
週刊少年サンデー 29号(6月29日号)
第7話:部屋長サカキ
(※二階堂ヒカル先生の連載漫画)
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の、かなり自分勝手な独断的な感想記事でした。^^