あおざくら 防衛大学校物語
週刊少年サンデー 27号(6月15日号)
第5話:変貌
少年サンデーの「あおざくら」防衛大学校物語
第5話「変貌」の個人的で独断的な感想記事です。
※二階堂ヒカル先生のサンデー連載漫画です。
★「あおざくら」をコミックスで読む派の方はネタバレ注意!!
★記事の中でそこそこ詳しく内容を書いています。
★初めてブログ記事を読む方へ★
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一度、その内容に目を通して、このブログのスタンスなどに対して
ご理解の上で読んで頂けると有難いです。
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それでは、改めまして…ここから
あおざくら =防衛大学校物語=
第5話:変貌
…の感想記事です。
今回はカラーの扉絵です。
絵は近藤のキリッとした制服姿でなかなか素敵な絵です。
煽り文は…
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Are You Ready?(覚悟はいいか?)
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場面説明文…
■豹変する上級生。一体、何が!?
近藤の部屋の部屋長である坂木が、近藤の襟を掴んで引き倒した場面。
そのままの格好で、早く腕立て用意をしろと怒鳴っています。
坂木「腕立て30回!!かかれ!!」
学生「1ッ!2ッ!3ッ!」
坂木「声が小せぇーんだよ!!しっかり腹から声を出せ!」
「顎が床につくくらい下げろォ!」学生「はいっ!」
腕立てが終わった後…一学年は息が上がりハァハァ…
近藤(上級生の息がまるで上がっていない…)
坂木「点呼!」
●この後に、再び沖田が点呼を上手く言えず…
坂木「全員 腕立て20回!!」「用意!!」
●上級生が直ちに腕立ての用意をするが一学年は出来ない
原田「ちょっと待って下さい!!」
「俺らの失敗なら俺らだけじゃないんすか?」●自らも腕立て伏せの用意をした状態の坂木が答えて…
坂木「連帯責任だ。」
「沖田学生の失敗は、俺を含め全員で責任を取るんだよ。」
一番最初の場面の…近藤の襟を掴んでいる坂木の件は、ひとつ前の4話の感想に書いています。
ですので今回はスルー。
後半の、原田の「ちょっと待って下さい…」の台詞はお話の展開上、読者に説明が必要なので入れたのでしょうね。
実際に、一学年がこのような場面で口答え的な事を言ったり、こんな風に質問?するのは考えられません。
「連帯責任」この言葉を防大生は防衛大生活の4年間で、もう嫌という程に何度も何度も…何度も!聞く事になります。
一学年は夢にも出てくる程だという噂です…。^^;
坂木「お客様扱いは終わりだ。」
「人様の税金を使う国家公務員としての自覚を持て!」近藤(な…なんなんだ… この状況は…)
坂木「一人の失敗は、全員の責任だということを忘れるな!!」
「指摘事項に改善が見られないようであれば、こういった形で反省を行う!」
「いいなっ!!」学生「ハイッ!!!」
坂木「一学年 声が小さいッ!!」
一学年「は…ハイっ!!」
細かいツッコミはありますが…それより大事な事として前回までの感想でも書いているように、入校式の夜である、この日までの間に近藤が「全く何も知らない」というのは変である事だけ、再び書いておきます。
防大受験生の皆さんにとっては、この部分は結構大事だと思いますのでしつこいようですが…この「あおざくら」という漫画には恐らくは「話の進行上の都合だろうなぁ」と思われる防大生活の事実とは違うフィクションが多分に入っていますよ!
と、お知らせしておきます。
※どこがどう違うのかは…
過去の感想記事や防大用語の詳しい解説のページをお読み下さい。
坂木が、沖田と原田の対番学生(恐らくは二学年)に向かって…
坂木「井上学生!西村学生!」
井上・西村「はいっ!」
●井上、西村の帽子を靴でグッと押しつつ…
坂木「このクソ情けないヤツらの対番はお前らか?」
「ちゃんと教えられなかったお前らには、追加で腕立て20回、プレゼントしてやる。」近藤(おいおい…)
井上・西村「はいっ!」
坂木「いいかオマエら!」
「一学年ができていないのは対番の責任!」
「対象の一学年以上に反省を行ってもらうぞ!」
「これらは決して罰ではない…反省だ!」近藤(反省って… そりゃやりすぎじゃないのか?)
坂木「キチンと指導ができない自分を恨め!」
「嫌なら失敗のないようにしろ!」
「腕立て20回かかれ!!」近藤(連帯責任…つまり、全員はちゃんとできない限り、)
(何もーー 進まない… 突然…どうなっているんだ!!)沖田(自分の失敗で他の人に迷惑は嫌だ…!!)
この場面も色々あるのですが、取り敢えず大事な点を…
「あおざくら」の漫画の中では、上記のように一学年ができてない!という理由で「対番の二学年が上級生に叱られる場面」は、ココで初めて出てきましたが、実際には、これが「着校日からある」そうです。
つまり…防大に着いたその日から、こんな場面があるという事です。
近藤の対番である松平が、近藤を誘って女子部屋を覗いたのがバレた時に、「近藤と松平の二人が空気イスの罰を受けるのは変」だという事を感想記事で書きましたが…こういう事です。
本来は、あの日の一学年たちは…
「まだ着校2日目」の「お客様」扱いの時期なのでもし一学年が不味い事をした時には、叱られるのは対番の二学年のみ!
だった筈です。
(入校式までは一学年にはホントに優しい)
ですが…それを防大生活と同じように書くと物語の進行上ハラハラドキドキの展開がイマイチになるので事実とは違って、全ては入校式の後からいきなり変貌する…
という風に曲げて書いているのだと思います。
…恐らく、ですが。^^
その後…大急ぎで部屋に帰り沖田がドアを開けようとしたら…
いつの間にか!先に戻っていた坂木がいきなり竹刀を向けます。
沖田「…し… 竹刀…!?」
坂木「入室要領演練!」
「対番に習ったろ。部屋に入る時のアイサツだよ、今やってみせろ。」近藤(先輩たちの動きが高速すぎる…)
坂木「他の野郎もチンタラ歩いて部屋に戻ってんじゃないっ!」
「走って戻ってこい、廊下は走るもんだ!」
この場面は…
竹刀を、こんな風に部屋っ子に向けたりすることがあるの?
と思って知り合いに聞いたのですが、
「そもそも部屋で竹刀持っている事が変。そんなヤツ見た事ない。」
(※どこから持って来てるんだっ!…と。(笑))
「入室要領の指導はするが、部屋っ子には優しく丁寧に指導する。」
「自分の部屋っ子以外の一学年には厳しく指導する。」
…という事でした。
ですので、この場面の竹刀はなかったことにして…
怒鳴られたり厳しく指導されている場面は、他の部屋を回っている時に指導されている場面だと思えは良いですね。^^
近藤「どこの部屋も同じことやらされるのか。」
「部屋前で行列待ちとはな…」
これは本当に実際にやるそうです。
合格を貰えるまで何度も繰り返さないといけないので、実際に順番待ちの列ができるようですね。
この廊下で近藤が待っている場面で、上級生たちが急に豹変した事になっている会話の中で、初日に辞めた人の話題が出て来ます。
(※ホントは変わったのは1学年に対する態度だけ)
近藤(バスのアイツのことか…)
一学年「一年で同盟作って上下関係なくそうなんていいてたけど、」
「四年生にナメた口きいて胸ぐら掴まれて、じょんべんちびったらしいよ。」一学年「うわー 悲惨…」
一学年「もっと小声で喋れ!」
近藤(松平先輩が…あそこで言葉を濁した意味が理解できたぞ…)
(俺を今日まで…辞めさせないためだ。)
ここも、以前の感想で書いたように…
本来であるならば、対番である松平二学年は、近藤に教えてあげるべきだったと私は思っています。
防大生活に耐えられそうにない。
適性がなさそう。
などと思える学生を「無理矢理に引き留めておく」のは、もちろん本人が苦しくて大変でしょうし…
今の展開のように「連帯責任」を負わされるようになった後は、周囲を巻き込んでしまうので、もっと大変!になります。
そうなると…下手をすると精神的に病んでしまいます。
そんな哀れな学生をなるべく出さない為にも…
対番学生は、ちゃんと一学年に「入校式が終わった後の生活」について
ある程度は説明してあげる…という本当の防大のシステムは「あおざくら」のような漫画のストーリー展開よりも良いと感じます。
まぁ、あくまで…一個人の感想です。
細かい事を言えば、学生の性格によって対応を変えるのが一番良い、かもしれませんが…正直、それは難しいですよね。
次の場面では、近藤が廊下に座り込んでいる学生を見つけて声を掛けています…
近藤「! おいオマエ、大丈夫か?」
一学年の学生「うう… もう帰りたい…」
近藤「泣くんじゃない。ほら、頑張ろう!」
学生「……裏切られたんだ。」
「初日の先輩や対番の人の対応も…それに、さっき先輩にも言われたんだ。」
「もう簡単には辞められないって…」
う、う~ん……^^;
書くのが少々辛いのですが、正直に私の気持ちを書きますね。
この場面を読んで私は「酷い!」と思いました。
いや、違うんです。
裏切った上級生が酷い!という話じゃないんです…。
そうではなくて…!
「防大では、上級生が新一年生を騙すような事を毎年している」
と読める漫画のストーリー展開になっている事に対してちょっと酷いなぁと思ったんです。
今までの感想で何度も、何度も書いているように…!!
入校式が終わるまで「一学年には全てを隠して騙してでも家に帰らせない」
なんて事はありません。
私が聞いている範囲のお話ではありますが…
むしろ逆です!!
何度も何度も繰り返し!
「入校式が終わると簡単には辞められないから、今の内に良く考えろ」
と新一年生に言ってあげて(決して脅すとかではなく)
「本当に覚悟が決まったのなら服務宣誓に押印しろ」と…
ちゃんと!上級生は指導をしてあげる…と聞いています。
実際に私の知り合いも、
「自分が一年の時に上級生はそうやって覚悟が決まるのを確認してくれたし、
自分が指導する側になった時には
「決して甘くない生活だぞ!」と何度も繰り返し教えてあげてから押印させた
…と言っていました。
ですので…この場面は、ちょっと…
まるで防大という所が、組織ぐるみで新入生を騙す組織のように「読めてしまう」ので…不快で嫌でした。
漫画でありフィクションだとしても…
この漫画を読んで、防大に行こう!と思ったり、逆に辞めよう!と思ったり…色々と反応する人が多いだろうな~と思うと…
こんな展開になっている事が、とても残念です。
(いくら「実在のものと関係ありません」と書いていても影響ありますよね)
だって、これじゃあ…防衛大が…
何だか酷い暗黒組織というか、悪の組織みたいですよね。^^;
この漫画で誤解が拡がったら、防大生が可哀相です…。
あ、これも…一個人の感想ですよ。はい。
その後…近藤が西脇サブ部屋長と廊下で会うシーンも…
西脇「近藤…今どういう状況か…理解できているか…?」
「廊下で先輩と出会った。」●慌てて頭を下げるほうの敬礼をする近藤…
近藤「こんば…」
西脇「違うっ!!」
「着帽時は10度の敬礼ではなく、挙手の敬礼だ!!」●挙手の敬礼に変更する近藤
西脇「腕角度甘い!」「手は伸ばすな!」「かかと揃ってない!!」
「帽子の中心が2mm程ずれている。」近藤(なんだそりゃ!?)
西脇「近藤ぉお…」
「同じ部屋になった縁だ これから全身全霊を込めて、」
「士官の心っちゅうもん 叩き込んでやる!!」●西脇の迫力に負けて廊下に尻もちをつく近藤
西脇「光栄に思え」
近藤「………はい。」
西脇「よォーし、腕立てよぉーいっ!!」
ここでも言いたい事は、今まで書いて来た事と同じです。
サブ長が部屋っ子に色々教えてあげるのは正しい…
ですが、「あおざくら」の展開のように、サブ長が自分の部屋っ子である近藤に「あんなに激しい指導」をするのはちょっと…という事です。
(※廊下で近藤に腕立てまでさせているし…普通ないない!)
(※変人の上級生もいるらしいので、絶対にないとは言い切れないですが)
これが他の上級生(近藤の部屋とは違う部屋の上級生)なら全然分かるというか、有り得る内容(いや寧ろバリバリある!)ですが、相手が自分の部屋のサブ長というのが…ね、という事です。
うん…ね。^^;
今回の一番最後の場面は、入校式の日の夜…
みんなが「喉が痛い」と言いつつ寝ている所(何度も叫んで声が枯れた)
近藤(こうしてオレの、本当の防大生活が始まったのだった。)
最後なので、もう突っこまない事にします…
最後の煽り文は…
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ーー物語は、ここから始まる…!!
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<今回の主な防大・自衛隊の言葉解説>
●入室要領(にゅうしつようりょう)
※詳しくは「防大用語」のページにて解説
以上…
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あおざくら =防衛大学校物語=
週刊少年サンデー 27号(6月15日号)
第5話:変貌
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の個人的な、勝手な感想記事でした。